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それでもビリヤードの教え方は悪くなかったらしく、
カコーンと玉のぶつかる音が響けば、ゴトリとポケットに落ちていく。
「……もしかして初めてって嘘?」
複雑な顔をするサリーに凌は清々しい笑顔で、
「初めてだよ」
と答えた。
ビリヤードをしながらビールを飲んで、知らない人と声を交わす。
そんなことを2時間もしていたら、
「――っと、ごめん。レオ」
足元がふらついてレオにぶつかった。
「いや、いいけど……、もしかしてお前、酔ってんのか?」
そう言われて考えてみる。だけど、アルコールを飲んだのは今日が初めてで、
「これが酔ってるってことなのかな?」
そう答える凌にレオは「お前らしいな」と笑った。
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