言えないキス

5/37
前へ
/37ページ
次へ
暑い夏休みはどんどん過ぎていく。 予備校に部活、その後には、 「どーしてそうなるっ!」 「ってぇ!! なんで殴んだよ!?」 「さっき教えたばかりだからだ!」 アキのスパルタ教室。 最初は生徒も二人だったのに。 「アキー、これが分かんない!」 「……メイ。目の前の教科書に答えがあるよ」 「あ」 舌を出しながらポリポリと頭を掻くメイか増え。 「コータ、起きて」 頬杖を付いて虚ろな目をしてるコータに美穂が肩を揺れば、 「起きろ! コータ!!」 「――ってぇ! 頭を叩くな!!」 容赦なく落とされるアキの鉄槌。 そして痛がるコータの隣で笑う真由美もいた。 「うんうん、馬鹿がひどくなるよね?」 「……猿に言われたくねぇ」 「何を!?」 「なんだよ?」 人数が増えて楽しいけれど、 「もう少し真面目にやれよ? 責任持てないからな」 アキな言うことはもっともで、4人は口を揃えて、 「はーい」 と笑顔で答えた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1560人が本棚に入れています
本棚に追加