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夏休みも、もうすぐ終わる。
そして彼も。
「あ、明日からなんですね」
「うん。入学式なんてものは無くて、オリエンテーションがあるくらいらしいけどね」
彼はアメリカの大学生になる。
「なんか、大変そうですよね……」
「そうかな? 今までも通ってたからあまり実感沸かないね」
そう言って微笑む彼に美穂も薄く笑う。
「バスケは?」
「うん、そっちももう参加してる。やっぱり凄いね。体格の違いも大きいけど――」
そう話す凌の声に美穂は耳を傾けた。
遠いようで近い、けどやっぱり遠い。
出来ることは話すことだけで、それ以上は出来ない。
だからお互いのことを話して聞いて……。
寂しくないか? と聞かれれば勿論寂しい。
だからって毎晩泣いたりする事はないっていうのは、この寂しさに慣れてきたのだろうか?
どんどん慣れてこれが当たり前になって、その先はどうなるんだろう?
なんて考えて、美穂は小さく背筋を震わせた。
「どうかした?」
画面の向こう、気にかけてくれる彼に、
「なんでも。もうこっちは夜が寒いんです」
そう答えて笑った。
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