言えないキス

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毎日、勉強に部活、そして予備校と追い立てられるようにこなしていく。 あまりに忙しすぎて、 「……ん?」 気がついたら朝を迎える、なんて日も。 手に持ったスマホはピカピカと着信を告げている。相手は勿論彼で、 「あぁ……、最低」 そう呟いてメールだけ送った。 そんな日が何日もあったりすると連絡する間隔も自然と開いてくる。 前は毎日通話してたのに、メールだって2日に1回になってしまったり。 だからって今の生活スタイルを変えることは出来ない。 勉強に部活、そして恋愛。 これって、 「欲張り過ぎなのかなぁ……」 そう呟く美穂に「ん?」とメイが答えた。 「なに? 志望校難しいの?」 もうすぐ冬。 確かに受験生ならそれがメインで当たり前。 だから美穂は苦い笑いを浮かべて、 「そっちは大丈夫」 と答えた。
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