言えないキス

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スマホを眺めて、ポケットに。 「なんだぁ? 日本の彼女からのメールても来てんのか?」 「違うよ」 そう言いながらロッカーから教科書を取り出す。 「っつか、日本人が勤勉ってほんとうだな。ライアン教授がお前のレポートベタ褒めだったぞ?」 「テーマが日本人の僕には簡単だったからね」 「そう言えばさ、サリーがお前に彼女いるか聞いてくれってさ」 「いるって答えて」 さらりとそう答えるとジョーは「お前なぁ」と倒れ込むように肩に寄りかかってきた。 「日本にいる彼女思ってひとりでやるのが楽しいか? マゾヒストか? それが趣味か? それとも日本の彼女は口実でゲイなのか?」 「うん、そう言うことにしておいてもいいから」 「……」 「一応、レオの心配を取り除くために言うけど、僕は女の子が好きだから」 「……おう、安心した」 そういいながらレオもタブレットを片手に歩き始めた。
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