第14話

2/12
前へ
/12ページ
次へ
もうどうすれば良いのか。 逢沢さんこの調子だし。 本当逢沢と居ると調子狂う。 帰国子女だからっていうのもあるのかもしれないけど,あまりにも価値観が違いすぎる。 俺と此奴は本当に合わないな。 そういえば,どうして此奴は俺の事が好きなんだろう。 ふと疑問に思った。 「逢沢」 「どうした,佐藤」 "俺の何処を好きになったの?" なんて事を聞けるわけが無い。 何か,肯定してるような気がして。 「いや,何でもないよごめんね」 誤魔化した。 こういう事ばかり。 前もこうやって誤魔化して逢沢を困らせちゃったな。 ちゃんと言うべきなのだろうか。 「逢沢,あのさ」 「何」 無表情…いつも通りなんだけども怒っているのだろうか。 「あの…俺の何処を好きになったの?」 「聞きたい事はそれだけか?」 「今のところは」 「そうか。 何処か,なんて具体的に説明しないと御前は納得いかないのか」 「ま,まぁ気になるし」 「一つ聞く。 御前は好きな奴を部分的に見るの?」 は? 質問の意味がわからず固まる俺。 部分的に? 「七瀬さんを顔だけで選んだ?」 その言葉に少し苛立ちを覚えた。 「そんなわけねぇだろ!!!! 俺はそんなので人を判断しない!」 「なら,俺が男でも好きなら付き合えるよね」 「好きじゃねぇし!」 感情を弄ぶ逢沢。 全く…此奴は何を考えているんだ。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加