第14話

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流石,超人気アトラクションだ。 すごく混んでいる。 出来れば来ないで欲しいのだが,当たり前だが順番は回ってくる。 長蛇の列で,俺たちは結構最語尾にいた。 「春輝,やはり人が多いね」 何を今更言ってるんだろうか。 「まぁ,此処人気らしいし」 「楽しみだね,春輝。このジェットコースター,凄く勢いあるし面白そう。 早く乗りたいな。」 何故そんなに嬉しそうなんだ逢沢。 俺は御前と別れたい(※付き合ってない)からこうしてるのに。 取り敢えず今の俺に出来ることはあのジンクスを信じる事しかない。 「逢沢」 「何」 「す,凄い勢いだねあのジェットコースター」 「そうだね,で言いたい事はそれだけ?」 「へ?」 「ならいいよ。そういえば,鈴木だっけ? 春輝と仲良いよね」 「え?まぁ,仲良いね。高校で初めて出来た友達だし」 「ふ-ん..そうなんだ」 「そうだよ,なんか変?」 「鈴木とあまり接点なさそうなのに,何で仲良いのか気になっただけ」 「そっか」 その会話以降話す事なく,自分たちの番がまわってきた。 「お客様2名で宜しいでしょうか? それでは最前列にどうぞ」 ま,マジかよ...なんで最前列なんだよ!! 運の悪さに泣きたくなる。 「春輝,怖いのか?」 「べ,別にそんなんじゃ...」 足を踏み出そうとするけど,恐怖で立ちすくむ。 「大丈夫,俺がついているから。 それに何時まで経っても出発出来ないし..ほら行こう」 そう言って勝手に俺の手を握って,席に座らせた。 自動で安全バーが固定されてもう既に動けない状態に。 「春輝,怖いのなら目を閉じていればいい。 隣には俺がいるし,手は離さないから安心して」 逢沢の声に安心を覚えたのか,こくりと頷いた。 ゆっくりと車内は動き出し,どんどん勢いを増していった。 こ,怖すぎる...!! 目を閉じていると余計に怖いので,開いたまま下を向いていた。 そうすればどの位置にあるのか把握できるし。 そして一番怖い所へ。 もう既に後ろから悲鳴が上がっている。 一番叫びたいのは最前列の俺なのに。 止まって欲しい。 その思いとは裏腹にどんどん進んでいく。 「怖い...!」 繋いでいる逢沢の手を強く握り締めた。 横を見ると逢沢は涼しい顔。こんなに恐ろしいというのに。
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