第14話

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逢沢の姿が見えない。 何時まで経っても埒があかない。 「あ-あの...本当連れ待たせているので...」 「俺らじゃ不満?」 「そういう事じゃなくてですね...」 「まぁいいじゃん」 集団のリーダー的存在が,俺の肩に手を置く。 「触んなよっ!!」 振り払ってしまった。 「何すんだよ,折角誘ってやってんのに! ふざけんなよこのアマ!!」 「女じゃねぇよ男だよ馬鹿!!」 アマってことは,女に勘違いされていたのか... 俺女顔じゃないのにな... 「ちょっと」 後ろの方から殺気を感じた。 振り返ると,逢沢がいた。 「逢沢!」 逢沢は集団に割り込んでリーダー的存在の男から俺を引き剥がし, 「悪いけど,此奴俺の彼女なんで」 「はぁ!?」 思わず声出してしまった。 すると小声で,「いいから合わせろ」と言われた。 「そ,そうだよ!!デート中だから邪魔すんなよ!!」 合わせたのはいいが,ホモじゃないかこれ。 「そ,そりゃ悪かったな..楽しめよデート」 一気に集団が去っていった。 「春輝,大丈夫だったかい?」 「だ,大丈夫だけどさ..怖かったんだぞ!! 逢沢なかなか来ねぇし,変な奴らに絡まれるし, 挙句の果てには女だと勘違いされてたんだぞ!!」 「春輝は比較的女顔だから仕方無いよ」 「仕方無い事無い!!」 逢沢が居なかったら間違いなく連れ込まれていた。 だから,感謝しなきゃ。 「ありがとう」 「どう致しまして,俺に惚れちゃった?」 「それはない!!」 「ないんだ」 「当たり前だろ!!さっきの何なんだよ!! デート中だからとかなに!?俺等ホモじゃん完全にホモじゃん。 腐女子ホイホイじゃん!!」 「いいじゃないか,そうでも言わないと彼らは引き下がらないよ」 「そうだけど,もう少し言い方ないの?」 「ないね,思いつかなかった」 「考える気もないくせに」 「それを言われたらおしまいだね」 「認めるんだ,逢沢」 「潔く認めることも大切だからね」 「うん,大切だね。でもデートではないよこれ。 俺はお出かけ感覚だからね!?」 「いや,デートだよ」 何言ってんの,逢沢。 こうして俺はヒーローに助けられたのであった。
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