第1話

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そう言って 彼は繋いでいる手を少し 上にあげた 「なんだか あなたがあまりにも小さく見えて… 心配で繋いじゃいました」 彼は優しく微笑むと スッと手を話す 話された手から 温もりが離れ 私はどこか 寂しさを覚える 「じゃあ 僕は帰ります」 彼は立ち上がった 「あっ! タクシー呼びます!」 そう提案した私に 彼は腕時計を見ながら言う 「いえ 大丈夫ですよ まだ6時みたいですし ここから ジョギングしながら帰っても 出社時間には間に合いますから」 そう言って部屋を出ていく彼を 思わず私は 掴んで引き留めていた
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