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思わず上げた視線に入ってくるのはあの甘ったるい笑顔で――。
「まぁ、元々受ける気はなかったし、何と言っても相手は高校生だからね。高橋常務も冗談半分だったとは思うけど」
「･･････はい？」
提携業務の話、よね？
『高校生』って何の話？
『冗談半分』？
「･･････あの」
「君のせいで光源氏になり損ねたみたいだ」
全然話が見えない。
「責任、取れよ」
見えるのは大きな手。
それがあたしの頬に伸びてきて･･････。
「朝は避けられるし、帰りは時間が合わない。ジムに行っても君の姿はなくて困ったよ」
いつもの甘ったるい笑顔はなんだかすこし困ってるみたいにはにかんで、
頬に触れる手が、
暖かい――。
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