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絶対子供だって思われたよね?
榊さんが部屋から出て行って、あたしはため息を漏らした。
テーブルの上には飲みかけのコーヒー。
もう一度口をつけてみるけど、
「・・・・・・苦い」
折角入れてくれたのに。
でも――、
覚えてたんだ。
あのときのこと。
しかもあたしがコーヒーを買ったことまで。
『男、知らないだろ?』
あ、嫌なこと思い出した。
あの時は大嫌いだったのに、今あたしは榊さんちのソファで彼を待ってたりする。
変な感じ。
でも、あたしが榊さんに会ったのはあの日が初めて。
なのに、
『妙にガードは固いし、慣れてるようでスレてない』
この台詞。
変、だよね?
あたしが忘れてるにしたって、榊さんはあの日の1週間前に日本に帰ってきたばかりだし、あたしはその日から風邪で休んでたわけで・・・・・・。
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