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「どうかした?」
「な、なんでもっ!」
小さく首を振って、急いでイチゴミルクにストローを指してズーッと吸い込む。
だけど、
「なに?」
隣から詰め寄る榊さん。
「ほ、本当に何でも」
顔が近いってば!
「本当に?」
念押しする声にあたしはコクコクと頷く。
「コンビニまで行ってもらって悪いなって思っただけでっ」
そういうと榊さんは少し考えるように視線をあたしから逸らして、
それからまたあたしに向けるとにこりと微笑んだ。
「なら、ご褒美貰っていい?」
「ふえっ?」
驚くあたしに落ちてきたのは、
「――んっ」
コーヒーの味がするほろ苦いキス。
「甘っ」
唇を離して榊さんが顔を歪めてそういうから、
「・・・・・苦いです」
そう答えると榊さんは「そっか」って笑ってた。
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