高嶺の花は咲いてるか?

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「好きなんだ」 誰が? 誰を? そんなの・・・・・・ あたしの耳がおかしいの? 「――うそ」 思わずそう呟いたあたしに彼はさらに困ったような表情を見せた。 だって、うそだよ。 そう、だって、 『俺が落とす――』 これは・・・・・、 「そんなに賭けに勝ちたい?」 そう言った瞬間、あたしの頬にあった手が震えて、 彼の顔が強張るのが分かった。 ほら、 そう言うことなんだよ。 「何を言って――」 「聞いたんだからっ、あたしを落とせるか賭けてるんでしょ?!こんなのっ――」 その言葉が一瞬でも『うれしい』と思ってしまったあたしは、 なんて馬鹿なんだろう? こんなやつに惹かれてるなんて、 いまだに、 好きだなんて・・・・・・。
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