花と太陽

2/15
2238人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「これ以上は本当に狼になりそうだから」 なんていわれて、榊さんの車に乗ってあたしは今マンションの前。 「あの、ありがとう――」 「とりあえず、明日は?」 「えっ?」 驚くあたしに、榊さんは少し呆れるような笑みを見せた。 「予定がないならデートに誘いたいんだけど」 「・・・・・・ない、けど」 何とかそう答えると彼はふわりとあの甘たるい笑顔を。 「じゃ、明日の朝迎えに来るから」 そう言ってさりげなくあたしの頬にキスをする。 それだけでドキドキしちゃうのに――。 「降りないの?そんな顔されると、ここで襲っちゃいそうなんだけど」 「――おっ、降りますっ!!」 慌ててドアを開けるあたしに、やっぱり榊さんは笑ってた。 「おやすみ、奈々美」 「・・・・・・おやすみ、なさい」 なんとかそう言うと、榊さんはいつもの笑顔を見せて車を走らせて行った。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!