花は匂えど・・・?

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「あの?」 「前も思ったんだけど、見送られるのは好きじゃないかな?」 「はい?」 「早く、マンションのエントランスに入って」 「どうして?」 「そこまで見届けないと安心できないから」 「・・・・・・すぐ、そこなのに?」 「すぐそこでも心配」 そう言ってにっこり笑う拓海。 うぅ。 なんでこうあたしの心を掴むのが上手いんだろう? こんな言葉にすらあたしの顔は赤くなってしまう。 だから、隠すように顔を背けて、 「じゃ、帰ります!」 「うん、おやすみ」 あたしはエントランスに歩き始めた。 エントランスのドアをくぐった時、 やっと、車が動く音がして――。 あたしが振り返ったときには拓海の車はなくなってた。 .
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