1440人が本棚に入れています
本棚に追加
「あぁ、連絡ありがとう」
振り返って、拓海はおざなりな台詞をあたしと琴ちゃんに投げるとすぐに二人に向いて。
「早く上がれよ。他のメンバーも待ってるから」
そう言ってすぐさまエレベーターに乗ってしまった。
「・・・・・・上海支社の人、かな?」
「えっ?」
ぼそっと聞こえる琴ちゃんの声にやっとあたしは我に返った。
「ほら、今回のプレゼンって上海がらみらしいし。結構大きな仕事なんでしょう?」
「・・・・・・知らない」
「なんだも大きな会場全部つかって――」
知らない。
何も知らない。
あたしは、
あたしだけが、
蚊帳の外だ――。
最初のコメントを投稿しよう!