綺麗な花には…?

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「そういえば、彼、出張らしいね」 「・・・・・・」 今はお昼。 そんな加代の台詞にあたしはイチゴミルクをずずーっと啜った。 「知らなかったの?」 「・・・・・・」 なんでみんな知ってるんだろう? って、加代は総務だから多分、 「今朝、出張旅費の前申請に来たのよ」 うん、そんなことだろうと思った。 「何、不貞腐れてるの?」 「・・・・・・」 「奈々美ったら、思いのほか束縛したい派なの?」 「そんなことっ」 「そうなんだ」 そう言って笑う加代にあたしは唇を尖らせて――、 だけど、反論できなかった。
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