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電話、
してみようかな?
昨日の電話に出なかったのはあたし。
だから、今夜――
「――んっ!」
後ろから伸びる手があたしの口を塞いで、もう片方はあたしの体を引きずり込んだ。
そして、
「静かに」
耳元で囁かれる声は――
「よかった、見つかって」
見上げると「はぁ」とため息にも似た声が降ってきた。
「なっ、なんで!?」
驚いて声を上げるあたしに彼は少し心配そうにあたしの顔を覗き込んで、
「それは俺の台詞」
なんて台詞にあたしは黙り込んでしまう。
うん、そう思う。
変に思われたって仕方ない。
「何かあった?」
「・・・・・・」
『あった』んだろうか?
それすらも曖昧な現状。
あたしが勝手に拗ねてるだけ
で・・・・・・、
「何か言われたのか?」
「――えっ?」
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