綺麗な花には…?

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「残念。明日から奈々美に会えないから一緒に夕食でもって思ったんだけど」 「あ、出張?」 加代が言ってたことを思い出してそう言うと、「よくわかったね」って声が返ってきた。 「えっと、加代が、友達が総務にいて『榊さんが前申請に来た』って」 「あぁ、なるほど」 クスリと笑う声が聞こえる。 あたし、自然に話せてるよね? 「あの、仕事!」 「ん?」 「忙しいの?」 なんだか無駄にドキドキする。 「あぁ、プレゼンが上手くいったからひと段落はしたけど今度は詰めていかないといけないからね」 「……そっか」 携帯を握る手が汗ばんでる。 大丈夫。 この話の流れなら聞いてもおかしくないよね? さりげなく、 何気なく、 さらりと―― 「あのっ、『ミサキ』さんって上海にいた時の同僚?」 言えた! 自然だったよね? 「えっ?あ、三崎?」 「綺麗な人、だね」 あ、これは余計だった!? 「・・・・・・そう?」 「・・・・・・う、うん」 うっ、なんか気まずい。 唐突過ぎた? 会話続けなきゃ! なんて言えばいいの!?
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