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電話から一時間後、
「――っ!」
突然鳴った呼び鈴に思わず肩が震えた。
インターフォンに見えるのは勿論、拓海。
「・・・・・・はい」
「出れる?」
いつもと変わらない、柔らかい表情を浮かべた彼。
「うん」
あたしがそう答えると「よかった」と笑ってくれた。
エレベーターを下りてホールに出ると、そこには拓海がスーツ姿のまま立ってた。
「あ」
あたしはと言うと・・・、
ジーンズにカットソーというかなりカジュアルな服装で――。
「待って!着替えて」
「いいよ、それで」
「だって」
引き返そうとするあたしの手をギュッと握って、
「ファミレスでいいかな?」
そう言ってくれたから、あたしも素直に頷いた。
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