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「乗って」
彼が助手席のドアを開けてくれる。
言われるままに助手席に座ってシートベルトを締めると車は走り出した。
「どこかリクエストある?」
その質問には首を振って「どこでもいいです」ってそのまま窓の景色を眺めた。
なんとなく拓海のほうは見れなくて――。
日曜日、
見た光景を思い出す。
やっぱりあれは気のせいなんかじゃない。
あの車はこの車で、
隣りに座ってたのは――、
「奈々美」
「――はいっ!」
思った以上に拓海の顔が間近にあって声を上げてしまった。
しかもその顔は笑ってなくて・・・・・・。
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