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「あ」
「――っと」
ピンヒールのサンダルって言うのがまずかった。
石に躓くあたしを拓海が引き寄せてくれる。
「あ、ありがと」
彼のスーツにはカーコロンの香りが染み込んでて、
でも、それはあたしからも香ってなんだかこそばゆい。
「ったく、危なっかしいな。奈々美は」
「だ、だって、ファミレスって!こんなところって知ってたらちゃんとスニーカーとか」
「そうじゃなくて」
そんな言葉に見上げると、呆れるように笑った拓海があたしを見てた。
「気になるならすぐに聞いて」
「・・・・・・でも、仕事忙しそうだったし」
「奈々美から着信があったら絶対かけ直す」
「・・・・・・」
多分、
ううん。
きっとそうしてくれると思う。
だから、あたしもコクンと頷いて――、
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