綺麗な花には…?

37/40
1440人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「あ」 「――っと」 ピンヒールのサンダルって言うのがまずかった。 石に躓くあたしを拓海が引き寄せてくれる。 「あ、ありがと」 彼のスーツにはカーコロンの香りが染み込んでて、 でも、それはあたしからも香ってなんだかこそばゆい。 「ったく、危なっかしいな。奈々美は」 「だ、だって、ファミレスって!こんなところって知ってたらちゃんとスニーカーとか」 「そうじゃなくて」 そんな言葉に見上げると、呆れるように笑った拓海があたしを見てた。 「気になるならすぐに聞いて」 「・・・・・・でも、仕事忙しそうだったし」 「奈々美から着信があったら絶対かけ直す」 「・・・・・・」 多分、 ううん。 きっとそうしてくれると思う。 だから、あたしもコクンと頷いて――、
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!