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「なら、拓海も言って?」
そう言い返すと拓海は不思議そうな顔をして、「何を?」って聞き返した。
ドキドキする。
ウザいって思われるかも、だけど――。
「仕事の愚痴とか、今何やってるかとか。
あっ、勿論、話せないことはいいんだけど、周りからそう言うのを聞かされるっていうのはなんだかさみしいって言うか・・・・・・」
「奈々美?」
「・・・・・・えっと」
あぁ、やっぱり言わなきゃよかった?
でも言いたいことは言ってって。
加代だって溜め込むのはよくないって・・・・・・。
「わかった」
「えっ?」
「そうだな、どうせ愚痴るなら奈々美に言うことにする」
「・・・・・・」
「一緒に飯でも食いながら」
「・・・・・・うん」
そう答えて拓海を見上げると、その後ろには満点の星があって、
それから優しいキスが降ってきた。
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