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お昼すぎて3時ごろ。
「あ、榊さんたちだ」
隣からぼそっと聞こえる琴ちゃんの声に思わずびくっとしてしまった。
正面から入ってくる人たち。
その顔はみんな笑顔で、
「しかし、最後の最後でひっくり返すなんてな?」
「さすが榊さんです!」
「褒めたって何も出ないけど?」
「いえいえ、コーヒー一杯で結構です」
聞こえてくる声に今日がプレゼンだったんだってことを思い出した。
多分、うまくいったんだ。
そんな思いに少しほっと息をつく。
すると目が合って――、
拓海が目を細めて笑顔を見せて、小さく右手でVサインした。
なのに、
あたしは視線を逸らすように小さく頭を下げた。
遠くなる足音。
話声もエレベータの中に消えていった。
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