花の雫

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泣いて泣いて、 頭の中が空っぽになるまで泣いた。 あたしの涙は全部拓海の胸に吸い込まれていく。 その涙も出し切って、嗚咽も収まってきて・・・・・・。 「なぁ、奈々美」 ゆっくりと顔を上げると長い指があたしの涙を拭ってくれる。 「もういっかい、言ってもいい?」 なんの事か分からなくて。 少し首を傾げるあたしに落ちてくるのは、 いつもの甘ったるい笑顔。 「俺と付き合ってください」 そんなの―― 答えは決まってる。 「はい・・・・・・」 そう答えると、強い力でギュッと抱きしめられて、 「はぁ」 あたしを腕から解放すると、拓海はいきなり傍の椅子に座り込んだ。 なに? なんで? 困惑するあたしに拓海はもう一度小さく息を吐く。 そして、 「本気でどうしようかと・・・・・・」 「えっ?」 見上げた彼には疲れたような安心したような表情が。 「もうダメかと思った」
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