花の雫

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それから一緒にメニュー見て、注文して。 「そういえば、お土産も忘れた」 「えっ?そんな、いいですよ!」 そう言って笑ったら、拓海が少し寂しそうな笑みを浮かべるから、 「本当に気にしてないですって!」 首も左右に振ってみた。 そしたら、肩を上下させて小さく息を。 な、なんだろう? あたしなんか変なこと言った? 「気づいてる?敬語に戻ってる」 「えっ?」 ――あ。 「別にワザとって訳じゃ」 「いいよ、ゆっくりで」 大きな手があたしの頭をポンとたたく。 「もっかい、最初からやり直しだな」 そう言って笑って・・・・・・。 来客を告げるチャイムに「来たな」って玄関へ歩いて行った。 来たのはピザで、 「しまった、イチゴミルク買うの忘れてた」 「えっ?いいで、じゃなくて、いいよ!なんでも!」 あたしはそう言ったのに、 「待ってて、コンビニ行ってくる」 って部屋を出て行って・・・・・・。
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