花の雫

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あたしは部屋に残されて。 そういえばこんなこと前もあったなぁ。 ずいぶん昔のようでそうじゃない。 あの時はドキドキしっぱなしで・・・・・・ って、今もあんまり変わらないか。 そう思ったらなんだかちょっと笑えた。 10分もしないうちに拓海は帰ってきて。 「ついでにデザートも買ってきた」 コンビニのビニール袋からプリンが出てくるから、思わず噴出しそうになった。 だって、こんなネクタイ締めた男の人がイチゴミルクとプリンをレジに持っていくなんて。 「・・・・・・笑うなら取り上げるぞ?」 「ヤダ!」 「なら、『ありがとう』は?」 「ありがとうございます」 そう言ってわざとらしく頭を下げると、 「あたっ」 「ありがとうでいいんだよ」 って、頭をぽかりと叩かれた。
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