花の雫

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両肩に手を置かれて、グイッとソファの背に押されるあたしの身体。 「送るよ」 「・・・・・・」 返事ができない。 だって、まだ9時だし今日は金曜日。 だから明日は土曜日なわけで・・・・・・。 「それとも泊まる?」 「――っ!」 そんな台詞にはビクッと過敏に反応してしまう。 だって『泊まる』って・・・・・・、 そういう、ことだよね? やっ、ちょっと待って! こんな風になっちゃうのは完全想定外で、今日の下着は可愛さなんて欠片もない『普段』のもの。 じゃなくて!! 今のあたしはすっぴんだし! そうじゃない! えっと―― 「嘘だよ」 「へっ?」
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