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「きゃっ」
ふわりと浮かぶ感覚に目を開けると、あたしの身体は宙に浮いてた。
「つかまって」
その声に彼の首に腕を巻きつけると身体がゆらりと揺れる。
開けられたドア。
あかりをつけて見えたのはセミダブルのベッド。
マシュマロのようなピローにチョコレート色のベッドカバー。
たったそれだけなのに心臓がドクンと大きく音を立てた。
ゆっくりとベッドの上に下ろされて、
思わず彼のシャツを握ってしまった。
「怖い?」
その声にゾクリとしてしまう。
今からのことを考えると・・・・・・、
怖いのかもしれない。
だけど、
「・・・・・・」
あたしは何も言わず、フルフルと首を振った。
だって、怖いって気持ちよりも拓海に触れたい。
強く抱きしめて、
もっとキスが欲しいから。
拓海の唇があたしの額に触れる。
「よかった」
安堵するように呟かれる声。
「『嫌だ』って言われても、もう止まれないから」
今までで一番深いキスに、息をするのも忘れてしまいそう。
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