花の雫

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なんだけど、 「――ちょっ、ちょっと待って!!」 ブラウスのボタンにかかる指に反応してしまった。 なのに、 「無理」 たった二文字で却下されてボタンは外されて―― 「ダメ――!!」 思いっきり叫ぶとやっとその手が止まってくれた。 「なんで?」 拗ねるような声。 彼の言いたいことはもっともなんだけど。 あたしは肌蹴たブラウスの前をギュッと握って彼を見上げた。 はっきりと見える彼の顔。 あたしの姿も彼の体もくっきりはっきり。 だって、 「・・・・・・電気」 「はい?」 「消して」 そう言うと、拓海は瞬きを一回。 そして、 「――ぷっ、あはは!」 「な、なんで笑うの?!」 「もしかして、下着を気にしてるとか?」 「――み、見ないでっ!」 ぎゅーっと自分のブラウスを握ると拓海はフッと笑って、あたしの額にチュッとキスをした。
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