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「えっ?な、奈々美!?」
その箱を持ったまま、拓海に飛びついた。
どうしても今日がいい。
拓海の気持ちが分かっちゃったから。
まだ間に合うよね?
「拓海、あたし――」
言いかけたあたしの唇を拓海の指が覆う。
「待って」
その声に顔を上げると拓海は目を細めてあたしを見てた。
それから、「はっ・・・・・・」と乾いた笑い声を響かせた。
「格好悪ぃな、俺」
自嘲気味に笑う拓海。
「だから、せめて俺から言わせて」
外は寒かったのか、少し冷たい腕があたしの背中に回される。
その腕がギュッとあたしを抱きしめて――
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