お喋りな花達-2

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『理想のカップル』 なんて言葉に今更ながら顔が赤くなる。 ――って、喜んでる場合じゃない! そうだ、金曜日もコンパがあって、 あたしは勿論、拓海も出てなくて・・・・・・。 どう、なったんだろう? 更衣室のドアを手に掛けて思わずゴクリと喉を鳴らしてしまった。 ゆっくりとドアノブを捻って中へ。 「・・・・・・おはよう、ございます」 大きくなく、けれど聞こえるくらいの声で伺うように挨拶してみる。 「あ、奈々美!おはよ!」 一番に返ってきたのはいつもと分からない琴ちゃんの声。 そして、 「おはよう、稲森さん」 先輩の声はいつもより低く聞こえた。 「お、おはようございます・・・・・・」 もう一度そう言って、頭を低くしたまま自分のロッカーへ。 チラッと琴ちゃんを見ると意味深な笑みを浮かべるだけで、どうなってるのか分からない。 けど、 「聞いたんだけど――」 背中から聞こえる声に思わず背筋がぴんと伸びてしまう。 ゆっくりと振り返ると、更衣室にいる人たちの視線はあたしに集まってって――、 「榊さんと付き合ってるって?」 あまりにストレートすぎる質問にあたしはゴクリと喉を鳴らした。 こんなとき、どこを見ていいのか。 視線を泳がせながら、 「・・・・・・えぇ、まぁ」 と、小さく答えると更衣室内の温度が2,3度下がった気がした。
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