高嶺の花は見た-1

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確か、以前も競演した女優が彼のせいで自信を失ったとか何とかで芸能界からいなくなったんだっけ? だから今回も篠原ヒロキに鳴海凌が呑まれてしまう、そう言うことを言いたいんだろうが、 「大丈夫ですよ」 「え?」 俺がそう言った瞬間、「篠原さん、入ります!」「鳴海君も出来ました~!」二人が姿を現した。 「監督の杞憂に終わると思いますよ。篠原さんの方はもとより、鳴海君も負けてないですから」 思ったことをそのまま口にして笑うと津田監督は少し驚くような表情を見せた。 そして、 「……あなたもなかなかどうして」 「え?」 「多分、篠原ヒロキと大差ないわ」 「……」 ひどく心外なお言葉を頂戴した。
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