高嶺の花は見た-2

40/40
1158人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
きっぱりそう言うと、「えー、残念」なんて、分かりやすい顔で落胆の色を示す。 よく考えたら、奈々美も篠原ヒロキの彼女と同じ部類の女かな? 仕事してるときはクールだけど、俺の前では笑ったり泣いたりいろんな顔を見せる。 それが嬉しくて、可愛くて――。 って、もしかして本当に俺は篠原ヒロキと同じ人種か!? なんて馬鹿な考えごとをしていたら、 「ほら、先輩もちゃんとしてください!」 鳴海凌の彼女の台詞にハッとさせられた。 そうだ、撮影を終わらせないと! にしても……、 「ちゃんとしてるよ。それより終わるまで待てる?」 「大丈夫です! 待ってますから」 「良かった、迷子なるから他の人と一緒にね」 「なりませんってば!!」 この子はいい奥さんになるぞ? なんて余計なことを考えてしまって自分で笑ってしまった。 全く――。 「ほら、鳴海君も戻って。奈々美、彼女達と関口さんに着いていってスタッフの札を貰って」 さあ、撮影を再開しよう。 でもその前に……。 奈々美が俺の声に素直に頷いてと横を通り抜ける。その瞬間、 「後でお仕置きだからな」 そう耳打ちするとシュンとする奈々美が見えた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!