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きっぱりそう言うと、「えー、残念」なんて、分かりやすい顔で落胆の色を示す。
よく考えたら、奈々美も篠原ヒロキの彼女と同じ部類の女かな?
仕事してるときはクールだけど、俺の前では笑ったり泣いたりいろんな顔を見せる。
それが嬉しくて、可愛くて――。
って、もしかして本当に俺は篠原ヒロキと同じ人種か!?
なんて馬鹿な考えごとをしていたら、
「ほら、先輩もちゃんとしてください!」
鳴海凌の彼女の台詞にハッとさせられた。
そうだ、撮影を終わらせないと!
にしても……、
「ちゃんとしてるよ。それより終わるまで待てる?」
「大丈夫です! 待ってますから」
「良かった、迷子なるから他の人と一緒にね」
「なりませんってば!!」
この子はいい奥さんになるぞ? なんて余計なことを考えてしまって自分で笑ってしまった。
全く――。
「ほら、鳴海君も戻って。奈々美、彼女達と関口さんに着いていってスタッフの札を貰って」
さあ、撮影を再開しよう。
でもその前に……。
奈々美が俺の声に素直に頷いてと横を通り抜ける。その瞬間、
「後でお仕置きだからな」
そう耳打ちするとシュンとする奈々美が見えた。
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