第3話「無重力ヒエロ」

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妹は「次は今川焼きかな」とオーダーしてから、 俺に分厚い書類を手渡した。 「電話で内容を聞いたから、粗方調べはついているわ」 「さ、流石、我が妹よ」 妹はニヤリと笑い、 椅子の上でふんぞり返った。 いかん、増長させてしまったか。 「手始めに国際宇宙ステーションに関わっているアメリカ合衆国、 ロシア、日本、カナダそして欧州宇宙機関をハッキングしたわ」 「それがこの書類か」 「まぁ、極秘ファイルはあるにしても、 妖怪絡みのファイルなんて見つかる筈ないわよね~」 「普通はそうだよな」 「そこで泥棒猫、いや睨まないで、 店長さんが言っていたロシアに焦点を絞ったの」 「それで?」 「ロシアのソユーズ宇宙船にTさんも搭乗して、 宇宙ステーションに行ったわけだから、 そのソユーズに因縁話があると思ったわけよ」 「なるほど」
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