第3話「無重力ヒエロ」

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「でも、この線も駄目だったわ、 怪奇現象とか不慮の事故とか皆無ね、 あっ、たい焼き追加ね」 「むむぅ~、どん詰まりか」 「焦らないで!まだ先があるのよ」 こんな華奢な身体で何処に入るのか、 食い物が見る見る胃袋に収まっていく。 甘味は別腹か。 「宇宙ステーションに滞在していたのが、 専門の宇宙飛行士ばかりじゃないのよ」 「!?」 「Tさんが滞在していた期間、 宇宙飛行関係者、 すなわち商業契約の宇宙旅行者が一緒に居たのよ」 「あぁ、金持ちの道楽で宇宙に行くやつか」 「そう、これはハッキングなんて手段使わなくても、 ググれば情報入手出来るわ」 俺は感心しながら、 高級玉露でシメている妹を見た。 「ロシアというキーワードで、 なおかつ因縁がありそうな人物、 造作もなく見つけたわ♪」 手渡された資料には、 俺も知っているある人物の写真が貼り付けられていた。
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