第3話「無重力ヒエロ」

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これら貴重な財産を音声アプリにして、 店長のファン向けに有料ダウンロードしているのだ。 名付けて「ネコ店長の下僕ボイス」 この音声アプリで、 朝の目覚めに、 疲れた時に、 就眠時に、 店長ファンは癒やしを得ているわけだ (どれだけMなんだ) それが俺の内職代となって、 我が下僕ライフの潤滑剤となっている。 そのアプリを作った妹が話題に出たので、 俺はヤマしさにドギマギしたのだ。 それに店長と妹には因縁があるのだが、 それは追々語るコトになるだろう。 これは妹絡みで何かあるな、 と俺の第六感が告げた。 事実その通り、 午後一に依頼人が、 甚だ厄介な奇談と共にやって来た。 「初めまして、 私が『奇談探明堂』の店長で、 コチラが助手です。 では、貴方の怪談奇談を探明致します」 店長が自己紹介するも、 落ち着きのある依頼人は、 店長の美貌に怯むコトなく端然としている。
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