第3話「無重力ヒエロ」

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依頼人の顔を何処かで見た覚えがあり、 紅茶を出しながら記憶を巡らしていたが、 依頼人に自己紹介されて俺は納得した。 私の名前はTで、 宇宙飛行士をしています。 宇宙飛行士と言っても月まで行ったわけではなく、 地上から約400km上空にある国際宇宙ステーション、 通称ISSに研究実験が目的で行ってました。 職業柄、 このような体験を人に喋るコトも出来ず、 さりとて幻覚だとも思えず悶々としていた時に、 コチラの噂を聞きました。 宇宙飛行士である前に科学者として、 この奇妙な体験を検証して頂きたいと思い喋ります。 宇宙飛行士という職業上、 自分には隠さなければならないコトがありました。 子供の頃から、視界の端とか、ふと目をやる風景に幻が見えるコトがありました。 その幻は、巨大な昆虫とか、 黒い影とか、人の後ろ姿とか様々に見えました。
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