15人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、
徐々にコチラに近づいてきて、
ソレの形状がわかると我が眼を疑いました。
白いドレスのような服の長い金髪の美しい女性が、
徐々にISSに近づいて来るのです。
宇宙の漆黒の闇をバックに、
白い服の女性は両手を優雅に揺らし、
舞うように迫ってくるのは幻想的でした。
永遠とも思える時間が過ぎ、
作業を忘れて女性を見入っていると、
やがて女性は窓まで至近まで来ました。
窓を挟んで手を伸ばせば届く距離に、
幻想的に美しい女性がいます。
その長い睫毛、
可憐な唇、
深淵な水面のような瞳、
揺れる長い金髪、
何もかも美しく儚い乙女。
その可憐な唇が何か囁いています。
当然聞こえる筈がなく、
唇を読もうとしましたが無理でした。
でも女性の表情から、
どうやら「開けて」と囁いているとわかりました。
到底無理な相談で、私は首を振り拒絶しました。
最初のコメントを投稿しよう!