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あれは幻覚だ、
と自分を納得させようとしましたが、
到底無理でした。
それが一回だけの体験ならば、
自分も幻覚だと記憶を封印出来たのでしょうが、
それで終わりではありませんでした。
幻が見えないようにコントロールしても、
亀裂が入り決壊したダムの如く、
もう戻れない状態でした。
観測用モジュールで作業した3日間、
ソレは現れ続けました。
漆黒の闇を、
白い服の乙女が舞い踊り近づいて、
窓に激しくぶつかり、
緑色の醜悪な老婆に変貌して船内の私を罵る。
気が狂うような悪夢の日々でした。
自分が身につけた科学的常識が通用しない、
その根底から崩すような体験・・・
この体験に何か意味があるのなら、
どうか教えて下さい!
そして、
この忌まわしい記憶を封印させて下さい、
お願い致します。
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