海辺のバス停

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ふぅ~と大きなため息を教室に置き去りにして図書室に向かう。 扉を開け見渡せば今日は誰もいない。 そぉ~っとフロアに足を踏み入れて向かう委員席。静かに座り込み辺りを見渡した。偶然視界に入った本のズレを直しにいく。 誰が読んでいたのだろう。 ―電子システム解説 ずいぶん、古びた本だけど開くと真新しい折り目がついている。 坂口?まさかね。 本棚にぐっと押し込んだ。 「さな。」 「えっ?」 振り向くと坂口が立っていた。 「今週、当番なんだな。」 戸惑いながらも 「うん。」 と頷いた。’さな’なんて呼ばれるなんて小学校以来で、坂口と遊んだ頃を思い出して 「…よっちゃん。」 とふざけ半分で呼んでみた。 昔の呼び名。image=483138262.jpg
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