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そう訊ねると、母親の表情が綻んだ。
「そうね、お願いするわ。家のお父さんじゃ少しも私の世話が出来ないの。
やっぱり細かなところまで気の使える、私の娘じゃないとねぇ……お風呂やトイレ、料理もままならなくって――」
「……そんなことの為に秋雄を怨んでいたんですか? 娘を取られたから? 自分の為に?
――秋雄にそのまま伝えれば良かったじゃないですか! あいつなら、喜んで一緒にここに住みましたよ!!!!」
ソファーから立ち上がり怒声を発した俺に、絵恋の母親はギョッとした。
なんて人は自己中心的な生き物なんだろうか。俺もそう……なにもかも間違っていた。
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