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自らに鼓舞を送り、絵恋の両親の自宅へと、道に迷うこともなくとうとう辿り着いた。
目の前に建つ住居は、少し古びた和風の佇まいだった。
ただ通常の民家と少し違ったのは、車椅子を意識しているせいなのか、門と道路の段差は全く無く、黒鉄の門構えから見える玄関までの短い距離も、丁寧に平たく作られていた。
――間違いないここだ。
思い切ってチャイムを押した。家の中にいる人間と会話が出来る仕組みの呼び鈴だった。
「はい……どなたですか?」
「竹下です。竹下秋雄の弟です」
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