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よく晴れた日の昼下がり。
一人の若い男が警備員のような格好の男性と一緒に扉から出てきた。
男は上に無地の黒いTシャツ、下にジーパンといったラフな格好に、右肩にバックを持っていた。
辺りには人影はなく、男が出てきた場所は高い塀で埋め尽くされていた。
「お世話になりました…」
そういって若い男は警備の男性に頭を下げた。
「もう二度と来るなよ」
警備の男性は一言いうと、塀の中へと戻っていった。
「……」
一人取り残された若い男は、特に振り返ることもなく空を見上げた。
普通の人間には何の変哲もない空だが、男にとっては八年ぶりの太陽だった。
…そう、男は刑務所という檻の中から解放されたのだった…
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