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そんな彼に私はますます好感を抱く。
過去に水商売で出会ってきた下心丸出しの男たちとは大違い……。
30分ほどでタクシーは私のマンションに到着した。
孝一は自分も降りるべきか迷っているようだ。
私は彼の腕を軽く引っ張り、一緒に降りるよう促した。
その気持ちを察した彼が、私のあとに続いてタクシーを降りる。
「コーヒーでも飲んでいかない?」
タクシーが走り去ったあと私は言った。
「うん……。でも、いいの?」
彼がためらいがちに聞いた。
「いいわよ。あ、孝一さんこそいいの? 沙織が待ってるのに帰りが遅くなっちゃう」
「僕はいいよ」
「じゃあ決まりね!」
マンションのエレベータに乗り、私は彼を自分の部屋へと案内する。
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