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身体中がふわふわと躍り出すような気分になった。
「デートしたいです! お食事もいいんですけどデートが……。あ、でも先生はお腹空いてますか?」
「いや、まだ僕は平気。じゃあデートしよう」
「はい」
「それから先生って呼ぶのはやめて。僕は遥子ちゃんの先生じゃないし」
「わかりました。それなら豪ちゃんって呼びます」
「ははは、そりゃいいね」
自分でも言ってて驚いた。
自分の中にこんな天真爛漫な部分が残っていたなんて。
「遥子ちゃん、どこでデートしたい? 豪ちゃんは遥子ちゃんのためなら、どこへでもエスコートするよ」
おどけて言う彼の笑顔は無邪気な子供のようだ。
「私、ディズニーシーに行きたいんです」
「好きなの?」
「一度も行ったことがなくて、行ってみたいんです。何度か夫におねだりしたんですけど、連れてってもらえませんでした」
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