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遥子は間を置くようにゆっくりと水割りを飲む。
私は彼女が話し出すのを待っていた。
「今の私、最低なのよ」
低く静かな遥子の声。
「最低って……どうして?」
遥子はその質問に答えず、逆に尋ねてくる。
「沙織は上手くいってるの? 前に話してた年下の彼と」
「……まぁね」
咄嗟にそう答えてしまったものの、上手くなんかいってない。
だけど半年ぶりに会った遥子に、どこまで自分のことを話せば良いのか戸惑っていたのだ。
遥子はさらに突っ込んでくる。
「結婚しないの?」
「いずれは……と思ってるけど。今はお互い自分のことで忙しいし」
「そっか。沙織には夢もあるもんね」
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