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「うん……。ねぇ、私のことなんかより遥子の話が聞きたいわ。そのために会ったんだし」
遥子は再び水割りに口を付け、俯きがちな表情で話す。
「私ね、男漁りが止められないの」
「えっ?」
“男漁り”などというショッキングな言葉が人妻遥子の口から飛び出し、私は呆然となる。
「止めよう止めようと思っても、止められないの」
私はどう言えば良いのか分からず、動揺を落ち着かせるように深く息を吐く。
「ご主人は? ご主人とは……?」
そう尋ねるのが精一杯だった。
「上手くいってない。っていうか、何もない関係」
「……」
遥子の言葉と虚ろな目に私は衝撃を受けていた。
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