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「沙織と別れるよ」
「……」
私は間近にある彼の顔を見つめた。
ベッドの上で抱き合ったまま、目と目がしっかり合う。
「明日、沙織にちゃんと話すよ」
「……ほんと?」
「うん。今、決心したから。というか前からそうしたい気持ちはあったし」
彼の背中に回していた腕に力を込める。
私の愛がより強く伝わるように。
彼は私だけのもの――。
絶対に離れない――。
誰にどんな非難を浴びようとも。
そんな想いを込めて私は孝一にしがみついていた。
「孝一さん、ありがとう」
「いや、今までハッキリしなくて辛い思いさせてごめん」
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