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「いや、僕の方こそごめん」
「バレンタイン、5分だけでも会えたら嬉しいな」
「もちろん会うよ。必ず会うから」
「嬉しい! じゃあ、ご馳走作って待ってていいのね?」
「うん。っていうか、たまには外食でもいいよ? どこかレストラン予約して」
「ううん、いいの。この部屋に来て欲しいわ」
「わかった」
外ではなく自分の部屋を望んだのは、その方が少しでも長い時間を一緒に過ごせるから。
それに外で食事したら、それだけで終わってしまう可能性もある。
この部屋で会えば、必ず抱き合えるから。
必ず身体を重ねられるから。
バレンタインデーは三日後。
この夜はどうしても彼と一緒にいたかった。
沙織の元へ帰って欲しくなかった。
私は彼に尋ねてみる。
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